今年は2つの島が姉妹提携を結んでから10年に!
こんにちは。
モン・サン・ミッシェルで現地ツアーガイドをしている濵口謙司です。
昨日、モン・サン・ミッシェル島内の観光案内所で1枚のポストカードを頂きました。
海の上に浮かぶモン・サン・ミッシェルと宮島が並ぶ姿が印象的。実は、この2つの島、正確にはモン・サン・ミッシェルの島と対岸を合わせた同名の自治体と宮島のある広島県廿日市市が観光友好都市となって今年でちょうど10年となります。

10年前に同じ写真を見たという方も多いと思います。というのも、このポストカードの写真は2008年に日本とフランスの外交関係が150周年を迎えた時に作られたポスターと同じものが使われています。モン・サン・ミッシェルと宮島の姉妹提携はその翌年の2009年に結ばれました。
村役場に飾られている一枚の絵
半年前に出版されたガイドブック「神秘の島に魅せられて モン・サン・ミッシェルと近郊の街へ」の取材でモン・サン・ミッシェルの村長さんにお会いする機会がありました。
島内の役場の村長室でお話を伺ったのですが、部屋を見渡すと、壁には宮島とモン・サン・ミッシェルの描かれた絵が掛けられ、角にあるショーケースには厳島神社の小さな鳥居などたくさんの日本から贈られたと思われるものがあり、そこから2つの自治体の交流を垣間見ることができました。

近年、モン・サン・ミッシェルを一番多く訪れている外国人観光客は日本人で、モン・サン・ミッシェルに行くと日本人しかいなかったという話さえネットで見かけることもあります(これは時期にもよりますが・・・)。
一方で、ここ数年宮島を一番多く訪れている外国人はフランス人だそうです。日本とフランスの2つの島をお互いの国の観光客が一番訪れているというのは、両者間の提携とは無関係ではないと思います。

2つの島の共通点
私は現在モン・サン・ミッシェルで特に日本人観光客のガイドをしていますが、以前は日本で通訳案内士としてフランス語圏のお客様のご案内をしていました。全国各地に行っていましたが、特に宮島はよく行く場所の一つでした。
モン・サン・ミッシェルと宮島には2つの島には潮の満ち引きで変わる景色が見られるなどの共通点がいくつかあります。両方を訪れると、2つの島が友好都市となっているのも偶然ではないと感じられます。
日仏2つの世界遺産をガイドとしてお客様を案内をして感じるのは、その神秘さや美しさを説明するためには言葉は必要なくて、それは国や文化、宗教などを超えて通じるものであるということです。
モン・サン・ミッシェルを訪れた日本人と宮島を訪れたフランス人のお客様が異口同音にそれぞれの島の魅力を語る理由の一つはそこにあるのかもしれません。