モン・サン・ミッシェルでアザラシが見られる?

大潮の満潮が近づくと・・・

こんにちは。

モン・サン・ミッシェルで現地ツアーガイドをしている濵口謙司です。

モン・サン・ミッシェルといえば海に囲まれた島の姿を思い浮かべる方が多いと思います。その姿を見ようと、大潮の時期を狙って旅行の計画を立てる人も少なくありません。干潮から満潮へと変わっていく姿は何とも神秘的です。

島と比べると、同じく世界遺産に指定されているモン・サン・ミッシェル湾のことは日本ではあまり知られていないように思われます。潮の満ち引きはもちろんですが、湾には豊かな生態系が存在し、多種多様の生物を観測できます。その一つが、主に沖の干潟に生息しているアザラシ。実は、大潮の時だけその姿をモン・サン・ミッシェルから見ることができます。

クエノン川河口付近で見られる海嘯

観測できるのは満潮時間の2時間くらい前。ちょうど島の周辺に湾の沖から押し寄せる最初の波が到着する頃です。島の東側にいると徐々に波が干潟を削り飲み込んでいる様子が観察できます。一方で、島の西側のクエノン川河口付近で待っていると、上の写真のような海嘯(かいしょう)という現象が見られます。

潮津波とも呼ばれ、特に川の河口付近で見られるもので、川の流れる方向とは反対方向に沖から押し寄せ、水の壁のようになって波が川を逆流していく現象です。海嘯は大潮でなくても観測できるのですが、潮位差が大きいほどはっきりと観測できます。

クエノン川河口の渦潮

一度、海嘯が到着すると見る見るうちに次々と海水が押し寄せ、上の写真のように岸とぶつかった水流によって渦潮が発生します。これを見るとモン・サン・ミッシェル周辺が遊泳禁止になっている理由がわかります。この中に巻き込まれてしまうとかなり危険です・・・。

写真の中央右に見える黒いものがアザラシの頭

海嘯が来る時には、波とともにカヌーなどに乗ってくる人も見られます。また、人だけでなく、沖の方から黒い頭の生き物も波に乗ってやって来るのが分かります。実は、これがアザラシで、波によって運ばれていく魚を追って沖からここまでやって来るのです。

水面からは頭だけしか見えないので大きさは分かりにくいですが、このアザラシは「phoque veau-marin」と呼ばれる種類のもので大きいものだと全長2メートルで重さは150〜170kgにも達します。大潮だからといって必ず見られるわけではなく、少し運も必要なのですが、大潮のモン・サン・ミッシェルを訪れる際に見てみたいものの一つですね。

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