モン・サン・ミッシェル修道院が扉を閉ざす日

コロナウイルスがフランスで広がる中で・・・

果たして明日修道院は開くのか?

2020年3月15日の午後のこと。

コロナウイルスがフランスで猛威をふるう中、前日までにルーヴル美術館やヴェルサイユ宮殿などの多くの文化施設が閉館を決めていました。

3月中旬に差し掛かったあたりから、コロナウイルスの影響でモン・サン・ミッシェルの観光客が如実に少なくなっていくのが感じられるようなっていました。普段であればハイシーズンに差し掛かる時期なのに、まるで真冬の静けさに戻っていくようなそんな感覚でした。

そういった意味で、前日の時点でこの日の開館が決まっていたモン・サン・ミッシェル修道院もいつ閉まるか分からない状態でした。

いつもは修道院の中で行われているフランス語と英語のガイドツアーもこの日は中止。この日は一部屋あたり100人までという条件付きで開館していました。

ただ、実際にお客様を連れて修道院の中に入ってみると人影はまばら。監視のためにいる職員の数が訪問者より多いことも・・・。少し異様な光景でした。

すれ違った顔なじみの警備員や職員の人に「明日は開くの?」と聞いてみても、当惑の笑顔を浮かべながら「分からない」の返事が戻ってくるのみ。

明日修道院が開くかどうか、それを知りたいのは他の人も同じ。ツアーが終わって修道院の外に出ると、私の方にもあちこちからメールや電話が。

カフェの店員さんにも同じことを聞かれました。修道院が閉まれば、店を閉めるとのことでした。

実はその時、どうやら修道院が閉まるらしいという話が出回っていたようです。とはいえ、その時私が答えられたことといえば、その1時間前に修道院の職員の人たちから聞いた言葉を繰り返すことくらい。

誰しも明日がどうなるか分からない、まさにそんな状態でした。

決定打となった首相の声明

家に帰ってテレビをつけると、フランスの首相エドゥアール・フィリップが会見をしていました。内容はその日の深夜0時をもってスーパーや役所などを除く必要最低限の施設の閉鎖するとのこと。コロナウイルスの感染スピードを抑えるため、人が集まるレストランやカフェ、商業・文化施設などを閉めるとの決定でした。

すでにスペインやイタリアでも同様の流れだったので、覚悟はしていました。いよいよフランスにもその時が来たという感じでした。

そして、首相の発表の少し後に、モン・サン・ミッシェル修道院の当面の休館がSNSを通じて正式に発表されました。

カフェの店員さんがふと言った言葉が脳裏をよぎりました。

「まるで世界の終わりのようだね。」

3月上旬くらいから、島内外で働く人たちと話す中で、「もうすぐ会えなくなるかもしれないね」みたいなことをよく言いあっていました。彼らは同僚ではないのですが、同じ場所で働く人たち間で生まれる連帯意識のようなものでしょうか。

ガイドをしている時はひとりですが、彼らを含めた多くの人が関わってくれているからこそ働けている自分がいるのも確かなこと。コロナウイルスについてポジティブなことを言うなら、そんな当たり前の日常に気づかせてくれたことかもしれません。

モン・サン・ミッシェル修道院が次いつ開くのかは分かりません。閉まるのは悲しいですが、また再開する日を楽しみに研鑽を積みたいと思います。

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