モン・サン・ミッシェル湾に鳥居が浮かぶ日

大潮の満潮を迎えた宮島の鳥居のレプリカ

こんにちは。

モン・サン・ミッシェルで現地ツアーガイドをしている濵口謙司です。

モン・サン・ミッシェルと宮島のある広島県廿日市市との観光姉妹提携10周年のイベントから約1ヶ月が経ちました。

10周年を記念して夏の間だけ(8月26日までの予定)の期間限定で島の前に建てられたのが宮島にある厳島神社の鳥居のレプリカです(姉妹提携やイベントについてはページ下のリンクからどうぞ)。

モン・サン・ミッシェルと宮島に共通することといえば、世界遺産であり、そして潮の満ち引きで変わる神秘的な景色。8月の最初の週末は鳥居が設置されてから一番潮位が高くなる大潮でした。この週末は本家の厳島神社の鳥居同様に、レプリカの鳥居も海に浮かぶ姿を見ることができました。

また、モン・サン・ミッシェルの島の方も海に囲まれ、鳥居とともに水に浮かぶ姿が見られました。次の大潮は8月の中旬ですが、その時はここまで潮位は高くないので、この両者が並ぶ景色もこれで見納めです*。

日本はもちろん鳥居や姉妹提携のことを知らない外国人やフランス人観光客から見ると、この鳥居はやはり不思議に映るようです。モン・サン・ミッシェルに来てこの鳥居を見る、あるいはSNSで写真を見た日本人にとっても賛否両論出ている印象を受けます。

私も最初見たときは驚きましたが、ガイドの仕事で来るたびに日常的に見ているということもあり、今ではすっかり見慣れてしまって、無くなるのが寂しいなとすら感じ始めています。

先月の記念イベントから1ヶ月経った今、冷静に考えてみると、これを作るための予算と労力、建築の許可を得るための手続きは些細なものではなかったのではないかと思います。

つまり、モン・サン・ミッシェルにとって日本、そして宮島に対してそれだけ敬意を払ってくれているんだなと。そんな風に考えると、夏の終わりとともに消えてしまうのが少し名残惜しくもあります。

*追記:モン・サン・ミッシェルの島の前に建てられた鳥居のレプリカは最終的に10月下旬に撤去されました。

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